タリバンとは?簡単にわかりやすく解説!タリバン政権になるとどうなるのか?

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タリバンの人

2021年8月15日アフガニスタンの旧支配勢力タリバンが勝利宣言をし、今後タリバン主導でアフガニスタンの国家運営が進められることになりました。

そこで今回は「タリバンとは一体なんなのか?」わかりやすくまとめいきたいと思います。

アフガニスタンはどんな国?

タリバンのまとめの前に、タリバンが制圧した国アフガニスタンとはどんな国なのか簡単にご紹介いたします。

アフガニスタンは、中央アジアと南アジアの交差点に位置する海には面していない内陸国で、南東でパキスタン、西でイラン、北でタジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンと国境を接しています。

国土面積は日本の約1.7倍の約65万平方キロメートル、人口は約3100万人。

公用語はパシュトー語とダリー語です。

国民の大多数はイスラム教を信仰していおり、約85%がスンニ派、約14%がシーア派となっています。

タリバンとは?簡単にわかりやすく解説!

タリバンとはアフガニスタンで活動するスンニ派過激組織のことで、アフガニスタン政府や同国駐留外国軍を主な標的としてテロを実行している組織です。

※スンニ派とはイスラムの宗派の一つ。聖典コーランや預言者ムハンマドの言行録(ハディース)に基づく行動規範(スンニ)や、イスラム共同体(ウンマ)で形成された合意(イジュマー)を信仰のよりどころとする。

タリバンが誕生した経緯

タリバンとはアラビア語で「神学生」を意味し、神学生で発足された組織になります。

1980年代に旧ソ連がアフガンを侵攻した際、隣国パキスタンに逃げ込んだ多くの難民の子供は、極端なイスラム原理主義を掲げる「マドラサ」と呼ばれる神学校で学び過激派の思想を強めました。

タリバンの誕生は、89年に旧ソ連が撤退し内戦に陥いったアフガニスタンに、自国の政権を作りたかったパキスタンが、混乱に乗じて神学生らに武器を与え、アフガニスタンに送り込んだことからはじまります。

そのなかでタリバンの創始者「ムハンマド・オマル」の夢の中に預言者ムハンマドが現れ、「武装蜂起し、味方を助けよ」とお告げを聞いたことをきっかけに、30人ほどの神学生とともにアフガニスタンで1994年タリバンが結成されました。

また当初は、軍閥に誘拐された少女を救出するなどして人々からの支持を集め、地元住民らからは正義の味方として扱われていたそうです。

タリバンの歴史

実はタリバンは1996年から2001年までアフガニスタンの4分の3で勢力をもっており、最盛期にはパキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の3カ国がタリバン政権を正式に認めていました。

しかし9.11同時多発テロの後、アメリカがテロの容疑者としてアルカーイダ関係者を引き渡すように要求したにも関わらず、タリバン政権が引き渡さなかったため、アメリカ軍が進撃し攻撃を開始。

タリバンはアフガニスタンの大半の領域を喪失しました。

その後タリバンは反政府勢力として再編成され、アメリカの支援を受けたカルザイ政権や国際治安支援部隊と「アフガニスタン戦争」で戦っていました。

※アフガニスタン戦争とは、米国とその同盟国がタリバン政権を追い出すことを目的としてはじまった紛争で、現在も進行中。(2021年8月14 日現在、バイデン大統領がアメリカ軍をアフガニスタンから撤退させ約20年におよぶ戦争の終結を優先する意向を示しました。)

タリバン政権になるとどうなるのか?過去のタリバン政権まとめ

ではタリバン政権になると、どのようなことがおきるのでしょうか?

まだタリバンがどのような政策をしてくるのか今の時点では分かっていませんが、参考までに2001年までタリバンがアフガニスタンの政権を握っていたときのアフガニスタンの状況をまとめてみました。

女性差別

タリバンには「女性は保護すべき存在であり、家で保護していなければならない」という理屈があり、タリバンがアフガニスタンを支配していた1996年から2001年までの間、女性は労働や教育などの権利が与えられないなどの差別をうけていました。

また労働や教育などの自由がないだけでなく、親族男性を伴わなければ外出さえも認められていませんでした。

服装の規制

服装にも厳しい規制があり、女性たちは全身をすっぽり覆い隠す「ブルカ」の着用が義務づけられました。

守れないものは殴られたりむちで打たれたりと罰をうけ、服装の自由も許されていませんでした。

娯楽の規制

娯楽の無い市民を巧妙に操るため、飲酒やタバコ、音楽、偶像崇拝に通じかねないTVなど娯楽が禁じられていました。

そして2021年7月、8月末の米軍完全撤退を見据えタリバンが攻勢を強める中、ユーモアあふれる動画をネット上に幾つも投稿していたことで知られる警察官「ファザル・モハンマドさん」がタリバンによって拉致され、殺害された事件がアフガニスタンであり、娯楽を敵視するタリバンの残忍性が現れることとなりました。

まとめ

今回はタリバンとは一体なんなのか、簡単にわかりやすくまとめていきました。

アフガニスタンがタリバンに政略されることによって、かつてのような厳格なイスラーム支配が復活してしまうのか?

一部ではタリバンがより現実的な方針に転換する兆候もうかがえるとのことでしたが、果たしてどうなるのでしょうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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