圧倒的な実力から“皇帝”と呼ばれているロシアの元スケート選手・プルシェンコ。
そんなプルシェンコ選手ですが、ロシアのウクライナ侵攻についての発言が「ウクライナの人々のことを考えていない!」と、世界中で物議を醸しています。
しかし、プルシェンコはウクライナ系ロシア人で、ウクライナとも関わりの深い人物。
なぜ、プルシェンコはウクライナと関係が深いにも関わらず、ウクライナの人々のことを考えていないような発言をしたのでしょうか?
目次
プルシェンコのプロフィール
エフゲニー・プルシェンコ
生年月日:1982/11/3
年齢:39歳(2022/3.現在)
出生地:ソビエト連邦 ハバロフスク ソルネチヌイ
出身地:ヴォルゴグラード
【ウクライナ侵攻】プルシェンコのインスタ発言が問題に
2022年2月24日、ウクライナへの軍事侵攻をはじめたロシアのプーチン大統領。
どんどん過激になっていくロシア軍の攻撃に、世界中からプーチン大統領へ非難の声があがっています。
そんな中、ロシアを代表するフィギュアスケート選手であるプルシェンコのインスタでの投稿が物議を醸しています。
プルシェンコは2022年3月2日、ウクライナへの軍事侵攻をうけ、スポーツ界がロシア勢を排除する動きに異議を唱える投稿をしました。
黙っているわけにはいきません。アスリートとして、また良識ある人間として、スポーツは政治を超えるものだという立場を共有しています。
しかし、実際にはそうなっていない。月曜日、FIFAとUEFAは、IOCの呼びかけに応じて、わが国の代表チームをすべての大会から除外した。今日、国際スケート連盟(ISU)は、ロシア人をその庇護の下に競技に参加させることを禁止している。これは大きな間違いだ!
スポーツと政治を混同してはいけないし、今のようにアスリートを罰したり、出場権や競技権を奪ってはいけないのです。これは差別であり、アスリートの権利を直接かつ著しく侵害するものだ。
我が国のスケーターは、世界最強であることを証明している。フィギュアスケートの面白さは、選手たちの存在なくしては語れません。スポーツ界のロシア代表に対して適用されている制裁措置は不適切であり、政治的なものである。
もし、我が国の選手が国際的なスタートに立たなければ、多くの種目で強い者が国内にとどまることになり、勝利の価値が下がることになる。IOCは最近、1894年に採用したオリンピックモットー「Faster, Higher, Stronger」を変更しました。
今は、「より速く、より高く、より強く、共に」と読みます。これは言葉だけなのでしょうか?今、彼らはロシアを世界のスポーツから孤立させようとしている。つまり、オリンピックの価値観は過去のものとなってしまったのだ。
誰もが平和を望み、私もそれを望んでいる!一日も早くすべてが終わり、交渉が実を結ぶことを心から願っています。私は大統領を信頼しています! 私は政治家ではなく、スポーツマンです。私の目標は、政治的な違いを超えて、スポーツへの愛で人々を団結させることです。きっとみんなにできるはず!!!!
2022年3月6日にも、「人種差別をやめろ」とのロシアへの愛国心を示した投稿をし、さらにプルシェンコへの非難の声が高まっています。
私はロシア人です 私はロシア人であることを誇りに思います。
私は大ロシアのハバロフスク準州で生まれました。私は長い間、ヴォルゴグラード・スターリングラードに住んでいました。
スポーツではサンクトペテルブルクでプレーし、今はモスクワ地方に住んで仕事をしています。私は母国ロシアに、4つのオリンピックで4つのメダルをもたらしたのだ!
Stop Racism! ストップ ジェノサイド Stop Fascism ! 私の名前はYevgeny Plushenkoです。私はロシア人だ! 私はロシア人であることを誇りに思っています。
私はロシアのハバロフスク地方で生まれました。
長い間、ヴォルゴグラード・スターリングラードに住み、サンクトペテルブルクでスポーツをし、今はモスクワ地方に住んで仕事をしています。
4つのオリンピックで4つのメダルを獲得し、祖国・ロシアに貢献しました ロシア人よ、胸を張って世界に出て行け。恥じることなく、ロシア人であることに誇りを持て!」。
このウクライナの人の苦しみは無視し、自国・ロシアのことだけを考えているようなプルシェンコの発言に世界中から、「がっかりした」「おかしい」など、批判の声が集まっています。
プルシェンコはウクライナ系ロシア人
今回、ウクライナの大変な状況よりも自国のスポーツ選手のことを擁護するインスタグラムの投稿が物議を醸しているプルシェンコですが、
実は、プルシェンコはウクライナ系ロシア人であり、ウクライナに関係の深い人物。
今回のウクライナ侵攻で一番複雑な立場にいる人なのです。
「プルシェンコ」は、ウクライナ系の苗字。
(-koでおわるのは、ウクライナ系の苗字)
プルシェンコの父親はウクライナのドネツィク生まれで、プルシェンコが2歳の頃に、母親の出身地であるロシアのボルゴグラードに移住しています。
またプルシェンコだけでなく、奥さんもウクライナとロシアのハーフ。
自身も奥さんも、親族がウクライナにいるプルシェンコは今回の戦争に一番複雑な思いを抱いているはずです。
しかし有名人だからこそ、家族を守るためにプーチン大統領に関して下手な発言はできません。
今回の投稿は「そんな複雑な立場にいるプルシェンコの精一杯の批判の表現なのではないか?」との考察もあがっています。
また、プルシェンコはかなり影響力の大きいスターですので、ロシア政府に言わされているという可能性もあるかもしれません。
プルシェンコのインスタでの発言は本心か?
物議を醸しているプルシェンコのインスタグラムの発言。
彼がウクライナ系ロシア人であることを踏まえ、
「この発言は果たしてプルシェンコの本心なのか?」ネットでの考察をまとめてみました。
プーチンに対する批判だと考える声
プルシェンコがめっちゃ批判されてるけど、彼も奥さんもウクライナ系ロシア人なんだよね。プーチンの良心に訴えている言葉だと私は思いたい。
— みっこ (@miwmiw3) March 7, 2022
なぜプルシェンコが叩かれているのか不明すぎる。親族や師匠にウクライナ系を持ちながらプルシェンコアカデミーのサポートを国からしてもらっているという苦しい立場で、精一杯の発言をしてくれてるじゃないのさ。嫁さん共々干されても仕方ないくらいギリギリの発言ですよ。
— すらいむ (@micasho) March 6, 2022
プルシェンコなんてモロにウクライナ系の名前なのにそりゃプーチンに刃向かえないでしょうに
— あきかぜ (@akz_mtd) March 2, 2022
本心での投稿であると考える声
プルシェンコは名前でわかる通りウクライナ系だし、幼少期のヒーローはウクライナの選手だと言ってた
— ねむい (@sknemu) March 4, 2022
でもアメリカを強く憎悪してるし、ロシアへの愛国心が他の選手よりも強い
それは若い頃からのいろんな言動に滲み出てる
だから、今回の声明も誤解じゃなくてある程度本心からのものだと思う
プルシェンコのルーツがウクライナ系でかつ彼が大統領の支持者かつ「プーチンのロシア的な世界観」の恩恵を全面的に受けてきたアスリートであるといういろんな文脈を考慮したうえでどっちなのかわからない
— あいつこそが宴の王子様 (@utagech) March 4, 2022
メディアもこの人も信じたいように信じる点では同じ
プルシェンコ氏の発言。
— 藤 (@megr_u) March 7, 2022
今ロシアの方は、差別に遭っているのは確か。それをやめてと言っているのではないか?ジェノサイドはおそらくロシア国家(プーチン氏)に対してだと思う。テレビで見たのだけど、ロシアショップの看板が壊されたという。従業員は全員ウクライナ系の方。