2022年2月に開催予定の冬季オリンピックは中華人民共和国の首都である北京市で開催予定となっています。
しかし2021年12月7日、アメリカは北京でのオリンピックをボイコットすることを発表しました。
そしてアメリカのボイコット発表から次々と他の国もボイコットを表明しています。
なぜアメリカをはじめとし、北京五輪をボイコットする国があるのでしょうか?
今回は「北京五輪をボイコットする理由はなんなのか?」分かりやすくまとめていきたいと思います。
目次
アメリカが北京五輪のボイコットを表明
2021年12月7日、アメリカは、
「バイデン政権は、北京の冬季オリンピックとパラリンピックに外交的代表団を派遣しません」
とし、北京五輪の外交的ボイコットを発表しました。
外交的ボイコットとは、外交手段の一つで、政府関係者を北京五輪に派遣しないというもの。
※派遣されないのは政府関係者のみで、選手たちは通常通り派遣されるようです。
北京五輪ボイコットの理由はなぜ?
アメリカが北京五輪のボイコットを行うのは、
「中国の人権状況を容認しない」という強い姿勢を国内外に示すこと
が理由になります。
「中国の人権問題」とは中国政府による、中国・新疆ウイグル自治区に住んでいる少数派民族のウイグル族への人権の抑圧のことをいいます。
この中国政府によるウイグル族への人権の抑圧は、中国政府の報道統制により、なかなか国外に情報が出ていませんでしたが、近年になってその実態が明らかになってきました。
このウイグル族への人権問題の中で、特に問題とされているのが「強制収容所」と「PUBF」。
ウイグル族は「ウイグル族であること」ただそれだけの理由で、強制収容所に入れられ、拷問されたり、共産党政権を讃える歌を無理やり歌わされたり、女性は性的暴行を受けたりすることもあるそう。
「PUBF」とは、「Pair Up and Become Family」の略で、日本語では「ペアを組んで家族になる」という意味。
どういう制度かというと、夫が強制収容所に入れられ、妻や子供だけのウイグル族の家族に、共産党員である漢民族の男性を家族として送り込み、疑似家族として生活させるというもの。
この制度をとおして、そのウイグル族の女性や子供が「中国人として正しい思想を身につけることができるようにする」という狙いがあるそうです。
このように明らかにウイグル族の人権を侵害している中国に対して、アメリカは「この状況を容認しない」という立場を明確にするため、今回のボイコットを行なったということになります。
北京五輪ボイコットを表明している国はどこ?
アメリカに次いで、他の国も次々と、この中国に対する外交的ボイコットすることを発表。
現在北京五輪の外交的ボイコットを発表している国は、
- オーストラリア
- イギリス
- カナダ
- アメリカ
の4カ国になります。
しかし、どの国も選手の派遣はするようで、派遣しないのは政府関係者のみになるそうです。
ちなみのこのボイコットに関して中国は、
「来ても来なくても大会の成功には何の影響もない」
と強気の姿勢を示しています。
北京五輪ボイコット日本はどうする?
北京五輪のボイコットに関して12月7日、岸田総理は、
「オリンピックの意義とか、我が国の外交にとっての意義等を総合的に勘案し、国益の観点から自ら判断していきたい」
と語り、日本としての対応はまだ明確になっておらず、今後の日本の対応に注目が集まっています。